Cardanoは、アイデンティティ、価値、ガバナンスを管理する分散型アプリケーションを提供する ことで、経済的なアイデンティティを持たない数十億人にそれを提供しようとするオープンプラット フォームです。

Cardanoエコシステム最大の開発企業 Input Output Global CEO Charles Hoskinson Aug 3, 2020

-この目的を実現するため、

  1. Bitcoinの1000倍以上のエネルギー効率を実現する159の論文により裏付けられ、No.1 の開発活発度に基づくセキュリティ基盤の上に、
  2. 3000以上の多様なノードに支えられた分散性、
  3. シンプルかつ安価に多様なトークンを扱えるインターオペラビリティ、
  4. 分散化するほどに向上していくレイヤー2システムを生かしたスケーラビリティ、
  5. 機能実装や開発の資金調達を投票により分散型で決定するサステナビリティを備えた、

パブリックブロックチェーンが開発されています。-

Charles Hoskinsonは、メトロポリタン州立大学とコロラド大学ボルダー校に通い、解析的数論を研究した後、Invictus Innovations、Ethereum、Bitcoin Foundation の教育委員会の創設を経験、現在は創業したInput Output Globalの CEOとして、Cardano の研究、設計、開発を主導しています。

Cardanoの沿革/開発ロードマップ

Cardanoは、2015年に開発がスタートしてから、5段階の開発ロードマップを設定しています。 1段階目は、コンセンサスアルゴリズムの基盤構築と公式ウォレットを作成した「Byron」。2段階 目は、委任型ステーキングシステムを導入した「Shelley」。3段階目は、eUTXOを搭載したスマー トコントラクトの実装を行なった「Goguen」。そして、現在は4段階目にあたる「Basho」が進行 中で、ここではスケーラビリティソリューションの実装による、処理性能の強化が主な目的になります。また、5段階目の「Voltaire」では、独自の投票システムを完成させることで、DAOコミュニ ティによる完全自治体制へ移行させることが最終目標となります。各ロードマップの詳細は、下記の公式サイトからご確認ください。

Web3.0時代のKey - Public Block Chain -

パブリックブロックチェーン(PBC)とは?

ブロックチェーンは、データを更新履歴の連続的な記録によって構成することでデータのコ ピーや改ざんを防ぐセキュリティ技術です。この技術により、電子データにオリジナルという概念を付与することが出来るようになります。一方向情報送信(Web1.0)から、個人によるコンテンツ提供や情報発信を可能にした双方向通信(Web2.0/SNS,YouTube)への進化は、新しい経済を創生しました。PBCは、使用者自身がプラットフォームを管理する「分散性」「非中央集権性」を達成するWeb3.0の時代を可能にします。

PBCの市場規模とWeb3.0

2009年に最初のPBCネットワークであるBitcoin誕生しました。Ethereumなど後発で開発されたの多くのシステムとともにPBCの市場規模は2018年初頭に80兆円、2021年には200兆円を突破しました。現在でも100兆円規模を保持し、数年後には数100兆から1000兆円規模の市場となる可能性があります。Web3.0時代の中核を形成する技術であるPBCは、Web3.0 時代を代表するメタバース上での交流に、”価値の交換”という機能をボーダーレスに追加する技術として期待されています。

システム構築の大きな壁:ブロックチェーンのトリレンマ+α

PBCでは、外部からの攻撃耐性(Security)、多人数使用に耐えうる処理能力(Scalability)、シ ステム運営の非中央集権性・分散性(Decentralization)が重要ですが、互いに相反する特性のため、3つの要素を同時に満たすことが出来ない"ブロックチェーンのトリレンマ"と呼ばれる問題が 存在します。さらに最近では、Proof of Workと呼ばれる高セキュリティ認証方法による電力消費量も問題視されており、トリレンマに加えて、エネルギー消費量の少なさも重要視されています。 これらを満たす理想的なPBCの探索は、Web3.0の発展において重要な課題となるでしょう。

次世代のブロックチェーンの必要性

PBCのTOP2であるBitcoinとEthereumでは、市場規模とユーザー数の増大に性能がついていかずとトリレンマ問題が露見しています。BitcoinのライトニングネットワークやEthereum関連のサイドチェーン・L1ソリューション・L2ソリューションなどが展開されていますが、根本的な解決までには至っていません。一方で、市場規模とユーザー数は継続して成⻑しており、 次の世代のPBCシステムの理想形が常に模索され続けています。

100年間持続可能なPBCプラットフォーム”Cardano”

Cardano / ADA(第三世代:PoS/高セキュリティ/分散型/高機能/スケーラビリティ)

2015年に開発がスタートした古参アルトコインですが、常に進化し続けることにより、最 新機能と3000人以上のステークプールオペレータ(≒バリデータ)と30万人以上のホルダー の委任型PoSによって高度に分散化された、新しい時代のスタンダードとなり得るPBCエコシステムです(Cardano=プラットフォーム名/ADA=内部通貨名)。 高セキュリティなPoSコンセンサスアルゴリズム"Ouroboros"を基盤に、マルチトークン機能やスマートコントラクト機能など、Ethereumと同等以上のセキュリティと機能を備えています。さらに、送金方法と手数料を送金前に確定可能な"eUTXOモデル"の採用や、"拡散パイプライン"と"Hydra"といったスケーラビリティソリューションによる拡張性に加え、 "Catalyst"という独自の資金調達システムなども構築しています。

Cardano Visionを達成するためのIOGの高い技術力による高負荷耐性システム

Cardanoでは、基幹技術を査読付き学術論文にしてから開発を進めることにより、世界中 のブロックチェーン開発者から厳しい批判の目に耐え抜いた技術のみが採用されています。Ouroboros基盤のPoSシステムは、2年間ハッキング・システムダウンせずに安定稼 働しており、100〜200円程度でスマートフォンなどから簡単に委任への参加が可能です。 また、他のPoS通貨とは異なり、ロック期間や高額なデポジットも必要ありません。


マルチトークン機能を実現したBTCの正当後継機 "eUTXOモデル"(拡張UTXO)

Unspent Transaction(TX) Outputモデルとは、Bitcoinが採用している送金前に支払い方法を確定させることが可能な仮想通貨の処理方法です。この方法は、ブロックチェーンの原理原則に従う手法で、デジタル上で最も現実世界に近いトークン処理を実現しました。しかし、処理 データが膨大になることから、マルチトークンを搭載するEthereumでは、アカウントベースモデルと呼ばれる別の処理方法が採用されています。このモデルによって、Ethereumはスマートコントラクトに伴う膨大なデータ処理に対応可能となりましたが、その一方で、メイン となるトークン(ETH)に比べ、その他のトークン(ERC-20・NFTなど)のセキュリティレ ベルが低下してしまったため、ハッキングリスクの増加や、送金手数料の高騰といった新たな問題が顕在化しました。 こうした背景からCardanoでは、データに属性情報を付与することでメイントークン(ADA) とその他のトークンを同一階層で処理できるように設計され、世界で初めてUTXOベースのマ ルチトークン処理を可能にしました。こうして誰でも安全に、高セキュリティを保ったまま、 明瞭な送金手数料でCardanoチェーンを使用することができるようになったのです。


Cardano DAOによる資金調達プログラム"Catalyst"

Cardanoでは、コア開発・DApps開発などの新規プロジェクトへの開発資金の提供や、システムの根幹に関わる機能変更などに対する意思統一が可能となる投票システム"Catalyst"を備えています。 Catalystの原資は、ステーキング報酬の一部をシステムが自動徴収したもの、つまりホルダー自身の資金でもあり、Cardanoエコシステムの将来の発展のために、毎年40億円以上が拠出・投資され ています。具体的には、Cardanoへの賛同者が、Cardanoの発展に貢献する提案を行い、投票者で あるADAホルダーによってそれらが評価され、多数の票を得た提案者には開発資金や活動資金が割り当てられます。例えば、今回のEXPOへの出展費用や、本パンフレットで紹介している展示プロジェクトなども、そのほとんどがCatalystから資金調達を行なっています(日本コミュニティの累計調達額は2億円以上)。こうしてCardanoは、世界最大の"DAO"として機能し、世界中の開発者/起業 家/投資家が協力できるような"オンチェーンガバナンス"の実現を目指しています。Catalystへの参 加に事前要件や追加費用は必要ありません。世界最大のDAOにご興味のある方は、ぜひ我々運営チームまでご連絡ください。

Cardanoの強み


次世代PoSの理想形とは?Ethereum2.0Cardanoの特徴比較

2022年9月のMergeアップデートによりPoSチェーンへと進化したEthereum2.0と、同月に実施したVasilアップデートにより、スマートコントラクトとメインチェーンの性能が向上したCardanoは、PoS型のPBCとして2トップです。ユーザー数やDAppsなどのプロダクト数では Ethereumが圧倒的に優位ですが、PoSとしてみると、自らバリデータとなるか取引所・ステー キングサービスにETHを「預ける」必要があるEthereumに比べて、「委任」という参加方法が あるCardanoは参入障壁が圧倒的に低いです。さらに、Cardanoの委任では、ADAの元本ではな く“保有権利”のみを委任してステーキング報酬を獲得することができるため、委任先のトラブルによる元本棄損のリスクが極めて低い設計となっています。そのため、少なくともPoSの機能面においては、Cardano採用のデメリットは少ないと言えるでしょう。

Cardano創設者のチャールズによる堅実な開発計画と柔軟な設計思想

ユーザー数の増加やユースケースの拡大により、新たな課題が生まれるPBCのトリレンマ問題は永遠の難題です。Cardano創設者のチャールズ氏は、堅実なセキュリティに重点を置きながらも、変化する環境に対して常に対応できる柔軟な思想で開発を進めています。 例えば、ADAとその他のトークンを同一階層に置き、送金前に手数料が計算可能なOuroboros PoS+eUTXOは、いわゆるウォレット操作型の詐欺に対する革新的な対応策です。また、資金ロックと罰則を必要とせず、ウォレットからノーリスクで参加できるCardanoのステーキン グは、参加率がすでに70%を超えており、取引所やステーキングサービスによる中央集権化を防いでいます。これらの先回りしたような堅実な基礎開発の上に、高機能型のスマートコントラクト、さらには新たなL2ソリューションやスケーラビリティソリューション、量子コン ピュータ耐性などの機能も持たせています。こうしたチャールズ氏の先見性が、画期的なPoS チェーンを実現し、多くのADAホルダーから信頼を寄せられている要因の一つです。

開発者観点からみた、Haskell言語:形式手法の利点

Cardanoは、コアシステムにHaskell言語、スマートコントラクトにはHaskellベースの”Plutus”という開発言語が採用されており、Solidityを採用するEthereumよりも開発が困難であると言われてい ます。Haskellが採用する形式手法とは、プログラムコード上に、前提条件と実際のコード、出力結果の概要を記述する手法です。これは、プログラムコードの入力の手間を3倍以上に増加させ、開発スピードを遅延させる手法と認識されています。しかし、コードの意味を開発者以外が理解できなくなるスパゲッティコード化や、システムのブラックボックス化を防ぐことができるため、Haskell は絶対にバグを起こしてはならないシステム(旅客機の制御システム等)に採用される厳密な開発言語として、一部の領域で活用されています。

後発開発者のためのSDKとオープンソース

Cardanoでは、独自のスマートコントラクト開発言語である"Plutus"を習得するために、Plutus Pioneer Programというコースが用意されています。また、Plutus Application Backend (PAB)というデバッグ・テストツールもあります。Haskellの熟練技術者によって作成された スマートコントラクトを応用することで、Javascriptベースでの開発を可能にするMarloweや Ethereumからの移行を支援するERC-20 Converterなども開発されています。こうした環境によ り積み重ねられたスマートコントラクトの知見は、Haskellの特徴により後続開発者へと正確に伝えられ、ハッカー側からしか分からない脆弱性の存在リスクを低減化させます。また、これ らの知見はオープンソースが基本となり、人材の入れ替わりの激しいWeb3.0 /ブロックチェーン時代の開発環境として⻑期的な視野を持って設計されていることを示しています。

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