Kittamu×Cardano 吉野川市の地方創生

厳しい財政状況にある徳島県吉野川市では、市が公認した観光協会的組織である「一般社団法人 Kittamu(キッタム)」による地方創生プロジェクトが展開されています。

Kittamuは2021年7月にCardano日本コミュニティと事業提携を結び、ブロックチェーン技術を用いた吉野川市のスマートシティ化計画を発表しました。昨今注目されているDX(デジタルトランスフォーメーション)をさらに進化させた「BX(ブロックチェーントランスフォーメーション)」と題し、地元の各種団体との連携・事業展開を進めて、吉野川市の知名度の向上を目指しています。

Cardano日本コミュニティでは、Cardanoのイメージアップと知名度向上も同時に構築できるWin-Winの関係を目指し、コミュニティからのソリューション・情報提供や技術連携で協力しています。本EXPOでは、こうした取り組みについて、これまでの成果と最新のプロジェクトについてご紹介します。

事業展開① 地元特産品とコミュニティのコラボ商品

吉野川市の美郷地区は全国で初めて「梅酒特区」と呼ばれるものに認定された、梅酒の名産地です。本来の酒造業者であれば、年間5,000L以上のお酒を製造できなければ酒造取扱免許を維持することができませんが、この特区内の業者に限っては、この製造ノルマが1,000Lまで引き下げられます。これにより、美郷地区に存在する小規模な酒造業者は、少数生産&地産地消のビジネスモデルをを継続することができるのです。

Cardano日本コミュニティは、美郷地区の酒蔵の一つである大畠酒造様と協力し、Cardanoオリジナルラベルの梅酒を制作・販売いたしました。コミュニティでは、大畠酒造の梅酒を応援のために購入したところ、梅酒特区の名前に恥じない素晴らしい品質の梅酒に感動する人が続出。これにより、美郷地区の梅酒の知名度が向上しただけでなく、コロナ禍の影響で樽ごと余っていた梅酒の在庫が一瞬で空になるなど、大変な反響がありました。

また、将来的には大畠酒造さんが製造する「治三郎」と呼ばれる、5年熟成もののブランド梅酒に、Cardanoの真贋鑑定技術を導入するなど、よりブロックチェーンらしいコラボも検討されています。今後もコミュニティの潜在的市場が、吉野川市の地元経済の活性化に貢献することが益々期待されます。

今回のコラボ梅酒の制作に協力していただいた大畠酒造様の梅酒は、下記公式サイトよりネット注文も受け付けております。Cardanoラベル梅酒や治三郎などもラインナップに含まれておりますので、ご興味のある方はぜひご注文してみてください。

事業展開② 伝統工芸品とコミュニティのコラボ商品

吉野川市には、梅酒の他にも「阿波和紙」や「阿波藍染」といった伝統工芸品も有名です。特に阿波和紙の伝統は長く、地元の中学生は代々、阿波和紙の工房で自分の卒業証書を和紙で自作するなど、地元に根付いた文化です。

Cardanoコミュニティでは、資金調達プログラムCatalystにて、伝統工芸とNFTのコラボレーションを展開するプロジェクトを提案し、採択されました。これにより、吉野川市および徳島県内の伝統工芸品のNFT化が展開されます。本EXPOでは、その試作品としてCardanoと阿波藍染(阿波忌部藍染のコラボレーションを実現しました。さらに、伝統ある阿波和紙とはCardanoNFTプロジェクト「Kabuki-Tokyo」とコラボレーションを念頭に置いたデザイン案も進行しており、キャラクターが施されたオリジナル扇子も企画されています。

Kabuki-Tokyoとのコラボレーションについては、阿波藍染のコラボレーションを展開しており、オリジナルTシャツも制作されています。いずれも今回のブロックチェーンEXPOでのブース内に展示されており、吉野川市の伝統工芸品への注目度が高まるでしょう。今後は、こうした伝統工芸品の所有をより身近なものにするために、工芸品の売買権利をNFT化するプロジェクトが進められており、伝統工芸品とNFTという新たな市場のマッチングによる需要喚起が期待されます。

事業展開③ Cardano財政から活動資金を調達

地方創生においては、外部からの資金獲得が重要課題です。市や国からの助成金は、使途の限定や議会承認を必要とします。こうした場合、まだまだ信頼度の低いブロックチェーンとの連携には大きな障壁があります。もちろん、国内での実装実験なども進んでいますが、これらは国内企業による保証の元ブロックチェーンを利用しているのであり、自治体側にはブロックチェーンの選択肢がありません。特に、財政状況が逼迫している吉野川市では、地方創生のための活動であっても財政出動が厳しい状況にはあります。つまり、予算を出しての失敗が出来ないのです。

一方で、ブロックチェーン事業は急成長の可能性もある期待の分野です。ただし、急成長の可能性はプロジェクトの迅速な推進を要求し、期待に応えられない場合市場やコミュニティからの関心が低下し失敗の可能性が高まります。つまり、予算的には失敗してはいけないが、精査に時間をかけることもできないのです。

そこで活用されているのが、Cardanoが独自にシステムとして実装している資金調達プログラムが「Catalsyt(カタリスト)」です。Catalystでは、 Cardanoの発展に寄与するプロジェクトに毎年40億円が投資され、その投資先はADAホルダーの投票によって決まるという独自のファンドが存在します。

ある意味で、出資母体が存在せず、分散されているためプロジェクトの失敗責任は追及されないのです。ただ、コミュニティに対して誠実にプロジェクトに挑むものを応援するという、ブロックチェーン戦略の新しい可能性です。

Kittamuでは、Catalystにより5回の資金調達に成功しており、すでに累計1000万円以上(74,000ドル)の活動資金を調達しています。こうした財政面でもサポート手段も備えているCardanoコミュニティは、まさに財政難の地方創生プロジェクトと相性抜群であると言えるでしょう。